いろいろな世代に親しまれ、育まれてきたこの地を、
自分自身の場所として活かし、大切な時間を過ごしてほしい。


回遊しながら楽しめる。
人と緑をつなぐ、
新しい動線を作る。

岡山の中心市街地は、商業施設が充実する都市空間の中に、水と緑が豊かな西川緑道公園が縦断する、環境資源に恵まれたエリアです。今回の敷地も、西川緑道公園と連続するかたちで下石井公園があり、のどかでとても心地のいい場所です。このプロジェクトは、こうした環境の魅力を再発見していただける新しい動線をつくりたいという思いがありました。それを実現させたのが、さくら並木が続くみちです。新しく生まれ変わるまちを緑でつなぐ。そうすれば、既存の緑がもっと魅力的になり、まちのにぎわいも人の流れもつながっていくと考えたのです。自分の好きな場所へ行くときに、まちを回遊しながら、いろいろな出会いがあり、新しい発見がある。そんな歩いて楽しめる場所になってほしいですね。

世代ごとに感じられる、
旧出石小学校の思い出を
印象深く残す。

この敷地には、旧出石小学校の思い出を印象深いものにするために、門柱や記念碑を移設したり、当時植えられていたさくらをゲートのシンボルとしてそのままの場所に残しています。また、くすのきや銀杏などの既存樹木をシンボルツリーとしています。木は、子どもたちの成長を見守りながら育っていくものなので、その記憶は世代ごとに様々だと思います。それを眺めたり触れたりすることで、当時の思い出や時代の流れを感じてもらいたいですね。
自分の時間を思いのままに
住まう人や訪れる人の
アウトドアリビング

今回の開発では緑との調和をコンセプトにしており、それが映えるアースカラーを基調としたスキームを行いました。またオープンスペースを設けて広がりを持たせるなど、様々な世代が自分自身の場所として楽しめるような工夫を施しています。ある人は、好きな本を片手に、風を感じながら、緑を感じながら読書にふける。ある人は、庭園に咲いている花を気にかけては、ちょっとそこまで散歩する。そして、その光景を眺めながらゆるやかな時間を過ごす人がいる。そんなあらゆるライフスタイルを持った人たちが、思い思いの時間を楽しみ、さまざまな出会いやふれあいを持つ、アウトドアリビングとして多様に活かしていただきたいですね。


おかやまインター・パークス
マスターデザイン担当
一級建築士
インテリアプランナー

藤岡 慶子

PROFILE
大阪府出身。大阪大学工学部建築工学科卒業。大林組入社、現在に至る。主に集合住宅・複合施設の面開発計画に携わる。西神シティヒルズ、ヒルズコート高槻、神戸ヒルズデイズ、ア・デイ彩都、ザ・ナンバタワーなど、コンペ最優秀賞。実施設計作品として電気通信大学四条畷学舎、大林組御影社宅、ローレルスクエア登美ヶ丘。第1期、第2期(奈良市建築文化賞、奈良県住みよい福祉のまちづくり施設賞、大阪建築コンクール・府知事賞)など。




Copyright(c)2006 Ryobi Fudousan All rights reserved.